皆さんこんにちは。
今回は基本単位、大きい単位の続きとして小さい単位のお話をしていきます。
前々回の記事を見ていない方はそちらを先に読んでおくことをおススメします。
よく使われる単位一覧
前回は大きい単位にスポットを当てました。
今回はミクロな世界のお話です。
恐らくミリ、マイクロ、ナノ、ピコは日常でもよく使われる単位だと思います。
ミリの説明はいらないですよね。
定規に刻まれているあのミリです。
マイクロは「マイクロウェーブ」「マイクロチップ」「マイクロバス」
ナノは「ナノテクノロジー」「ナノレベル」
ピコは…多分どこかで聞いたはずです。
今回は黄色で囲った部分のお話です。
指数の取り扱い
ちょっとここで指数の話をします。
高校数学なので中学生以下の方は先取りする形になると思います。
ですが、結構頻繁に使われるので覚えておいて損はないです。
指数というのは2乗とか3乗のように数字の右肩に乗せて表す形態を指します。
52 34
上の場合だと5の2乗、3の7乗になる訳ですね。
52=5×5=25 34=3×3×3×3=81
なので
25 81
となります。
ここからちょっと難しいのですが、この右肩の数字がマイナスになると分数を示します。
5-2 3-4
この時は
1/52 1/34
となり、52 =25、34 =81なので
1/25 1/81
となります。
今回は10の指数の話なので
102 10-1
はそれぞれ
100 1/10
となります。
とりあえず10の計算だけ頭に入れておきましょう。
10-〇の時(〇は正の整数)はその数分だけ小数点をずらします。
急に1.0が出てきていますが
1.0=1
なので同じものと捉えます。
有効数字とか色々ある場合はこの.0も重要ですが、今回は消して大丈夫です。
指数がマイナスの時はその数分だけ左にずらせばOKです。
すると答えは0.0010となりますが、右端の0はあってもなくても0.001を表すので消します。
大きい数字も同じように表せます。
10〇の時〇の数だけ0を増やします。
こちらは簡単ですね。
10乗からの変換ですが、どちらも1(1.0)から0を増やしたり小数点を動かしたりすることを忘れないでおきましょう。
話はそれますが、100000000と0.00000001だとなんとなく100000000の方が不自然ではないですよね?
やっぱり大きい数字を見慣れているせいなんですかね?(特にお金の計算で)
よく使われる小さな単位
ミリに関してはお馴染みだと思います。
1mm=1×10-3m
1mm=0.001m
となります。
両辺に1000をかけると
1000mm=1m
なので1mは1000mmだということが分かります。
同様に表すと
1μm=1×10-6m
1μm=0.000001m
となります。
ちょっと面倒になってきましたが
1nm=1×10-9m
1nm=0.000000001m
となります。
最後なので我慢して書くと
1pm=1×10-12m
1pm=0.000000000001m
となります。
これ、口で言うのは面倒ですよね?(書くのも苦行)
なので、指数という便利な表示方法がある訳なんですよね。
マイクロとミクロとミクロン
このμ(ミュー)という記号で10-6を表す時、3つほど読み方があります。
マイクロ ミクロ ミクロン
皆さんはなんと読みますか?そしてどれが正しいと思いますか?
正解は…どれも正しいです。
microのiを「アイ」と読むか「イ」と読むかの違いなんですね。(「マ”アイ”クロ」「”mi”クロン」)
ただ、1967年に計量法が改正されて「ミクロン」が廃止されました。
なので、今は「マイクロ」と読み方を統一されています。
このような経緯があるので、ミクロンは昔の人が使っている方が多いと思います。
ただし、正式な文章に残す際はミクロやミクロンは止めたほうが良いです。
マイクロを使った方が無難、という事を覚えておきましょう。
日常生活では”小さい”のような意味で「マイクロバス」「マイクロツーリズム」「ミクロ経済学」「ミクロな視点」といった感じで使われますね。
PM2.5とは?
よくニュースとかで見かけるPM2.5とは何でしょうか?
簡単に説明すると
「大きさが2.5μm以下の微粒子」
です。
今回は説明しやすいので排気ガスやたばこを例に出していますが、有害なものでなくても2.5μm以下のものをPM2.5と呼びます。
なんとなくPM2.5に対する悪いイメージが広まっているので、正しく認識しておきましょう。
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。
微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報 | 大気環境・自動車対策 | 環境省:https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html
環境省の文章を引用しました。
太字の部分を見てみると有害物質とは言ってないですね。
その後、化学反応によるPM2.5の説明に入っています。
因みに環境省へ問い合わせてみたんですが、やはり上の解釈で合っているそうです。
他にも身近なPM2.5の代表例としてタバコの煙が挙げられます。
話すと長くなってしまうのでここまでにしておきますが
・有害な排気ガスにフィルターをかける
・そもそも有害なガスが出ないような工程を考える
など企業の努力がよく見られる分野ですね。
ppmとは?
ppmという値があります。
大学でも化学を学んでいく人にとっては必ず覚えなくてはいけない値です。
なので、そこまで化学を深く学ばない場合此処はスルーでもいいかもしれません。
もしかして今の世代はppmも高校で習いますかね…?
本当は
ml(ミリリットル) / L(リットル)
でも求められます。(水1mlは大体1gとできるため)
この後の例を示したかったのであえてLではなくgで表しています。
100万の例としてミリオネアを挙げましたが…ちょっと古いですかね?
昔あった賞金が段々増えていって最終的に100万円が貰える問題が出されるという番組です。
なので「クイズ番組で10万円はちょっと少ないし1000万円は多すぎるかな…?」
という感覚で100万という英単語を思い出していましたね。
あとはCDのミリオンセラーともよく言いますよね。
切りの良い数字でめちゃくちゃ売れた商品の数って考えれば思い出せるはずです。
ppmを%に直してみます。
分数で表した際は100倍すると%になるので
1ppmは0.0001%となりますね。
もしかしたら1万分の1%の方が覚えやすかったりしますかね…?
具体的には1ppmとはどれくらいの割合なのか例を作ってみました。
牛乳1Lに10粒の食塩を加えたくらいになります。
10「粒」ですからね。
その程度の食塩で牛乳の味が変わるなんて思えないですよね?
因みになぜ食塩なのかというと、液体だと1mlをうまく表せないんですよね。
スポイト1滴は大体0.03~0.05mlとされています。
それを20~30滴程…という説明をされてもパッとイメージできませんからね。
まとめ
大きい単位と違って指数の方にも触れたので長くなってしまいました。
ただ、その分覚えておいて損はない濃い内容となっているはずです。
是非、今後の学習にお役立てください!!
余談
先程PM2.5がなんとなく悪いというイメージが広がっていると書きました。
同様な事例としてCOVID-19(コロナウィルス)関係でもありました。
クラスター
という単語です。
クラスターには「集団、群れ」といった意味があります。
主に数学や生物でよく使われます。(例:細菌のクラスターが形成された)
クラスター”感染”なら良いと思いますが、ニュースや新聞、ネットではクラスタークラスター言われています。
ですが、クラスターには集団という意味しかなく、感染という意味はありません。
将来科学を学ぶ子供たちが「クラスター=集団感染」と覚えてしまわないか少し不安です…
クラスター分析とかクラスター解析と言われても、COVID-19関係とは限りませんからね。
参考文献・引用文献
ミクロン | み | 辞典 | 学研キッズネット
微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報 | 大気環境・自動車対策 | 環境省
化学物質環境実態調査-化学物質エコ調査ってどんな調査?-
https://www.env.go.jp/content/900406381.pdf
クリスチャン分析化学 原書7版 I.基礎編 丸善出版
Amazon のアソシエイトとして、「Side ChemiStry」は適格販売により収入を得ています。
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